青い世界

今日は一年のうち、一番日の短い冬至です。
日本ではいくら日が短くても、太陽の光が地上を照らす、明るい時間帯があります。
ところがラップランドの冬は日中でもうす青い闇が広がるだけで、まぶしい太陽の光を見ることはありません。

フィンランド1.jpgフィンランド・ラップランド地方の冬の林

16・7年前に、真冬のラップランドへ行ったことがあります。


ラップランドは12月にはいると幻想的な「カーモス(Kaamos)」に包み込まれます。
カーモスとは、太陽の昇らない時期、全てが青く見える現象のことです。

私が行ったのは1月の上旬、ラップランドの入り口のルオストというところでした。
(オーロラも観測できる場所らしいですが、私は見ませんでした)
その時、雑誌に掲載した私の文章があるので、一部を転載してみます。

朝、ロヴァニエミからスオストに向かう。
10時を過ぎているというのに、街の中は、夜のように外灯がともされ、暗い。
・・・中略・・・
ロヴァニエミを抜けると、バスは木々が立ち並ぶ広い道路を走るようになる。
このあたりはほとんど風が吹かないそうで、本当にまっすぐな木ばかりだ。
北見から陸別へ車で行く途中の、置戸あたりの林道に似た印象を受ける。
時々、木々の間にトナカイの姿が見えるところは違うけれど。

11時を過ぎてようやく空が白み始めた。
しかし、満月はまだ空に居座っている。
太陽はごく遠慮がちに雲の間から顔を出し始めているものの、
日本でイメージする「日の出」のめでたさはない。
けれども、世の中はすべて青インクを溶かし込んだような薄闇の中に染まっていて、
しんと立つまっすぐな木々、その枝に、葉にとどまる粉砂糖のような雪との組み合わせが、
幻想的で美しい。

まあ、こんな調子でうす青い世界での経験を書き綴っています。
この時はフィンランドのログハウスや、木製サッシ工場を見学するという大義名分の下、
ルオストの保養村のログハウスに泊まってスキーをしたり、サウナに入ったりして楽しみました。
ようやくうっすら明るかった世界も、3時を過ぎるともう、真っ暗です。
たまにはこんな冬の日もいいけれど、明るい太陽を見ない毎日って、どんななんだろう、
きっとうんざりしそうだな、などと思ったりもしました。

でも、この青い幻想的な世界は忘れらないほどきれいです。
そして気温が低くて乾燥しているせいなのか、
空から落ちてくる雪が大きな雪の結晶ひとつづつなのでした。
外灯の光に反射しながら、薄闇の中にきらきらと一枚ずつ落ちてくる雪の結晶。
オヤジの私でもさすがにロマンチックな気持になって、
「この雪を宝石箱に詰めて、持って帰りた~い☆」と思いましたね。

フィンランド2.jpg
ログハウスの窓辺に飾ったキャンドルの形の照明器具

Comments

No Responses to “青い世界”

  1. kim on 12月 22nd, 2005 9:05 PM

    むぎさん
    そんな、おやじだなんて。
    自分で言うものでは、ありませんよ。
    むぎさんの感性は、決しておやじじゃぁありませんから。
    素敵な思い出ですね。

  2. むぎ on 12月 23rd, 2005 10:20 AM

    kimさん
    ありがとうございます。
    でも、おやじとおじさんの違いってものがあって、おじさんの感性はちょっといやなんですが、おやじの腹黒さとか、意地悪さとかは好きなんですよ、私。
    中途半端におじさんの混じったおやじはダサいんですけど、本物のおやじは奥が深いですよ~ん。