文人悪食で知った中原中也の素顔

嵐山光三郎さんの新刊文庫「文人暴食」を買いました。
これ、先に文庫化された「文人悪食」の続編とも言うべき本です。

文人悪食.bmp
で、今日書くのは先に出された「文人悪食」のほう(^o^)


「文人悪食」は平成9年にマガジンハウスから単行本として出版され、その後平成12年に文庫化されました。
夏目漱石「ビスケット先生」から始まり、森鴎外・幸田露伴・正岡子規・・・三島由紀夫「店通ではあったが料理通ではなかった」まで37人の文士の食生活について、書かれています。
そして「文人暴食」は、平成14年に単行本、今年1月に文庫で発行された「文人悪食」の続編。
小泉八雲「一椀に白魚の泣き声を聞く」に始まり、寺山修二「砂糖入りカレー」で終わる37人が登場します。

「暴食」のほうはまだ小泉八雲を読み終えたところで、感想を書くのはまだ先になりそうなので、すでに読み終えた「悪食」の感想をいうと、どれもとても興味深く、作品からだけ持っていた作者の印象が、食を通して見るとまた違って見えるのが面白かったです。

特に印象に残っているのが中原中也です。
中也の詩は高校生の頃読んでいて(ありがち?)、また、合唱曲でも使われていて、中也の印象というと繊細できれいなイメージでしたが、これによると身なりが汚かったとあります。
永井龍男曰く「よごれたゴムまりをぬれ雑巾でひと拭きしたような顔」だったそうです。
ダダイストらしくみつばのおひたしにソースをかけたものばかり食べていたとか、食生活も興味深いのですが、性格が悪く、酒癖も悪く、不吉な印象を持っていたという中也像になんだか引き付けられて、ほかの文士のエピソードよりも強く記憶に残っています。

もうひとつ、私たちのよく知っている中也の肖像「黒帽子の美少年像」は、肖像写真が複写され続けてレタッチされた結果、本物の中也とは別人になってしまったらしいということ。
このことを知った当時、若い頃にこの写真にだまされ(?)て彼の詩を愛読したわりに、がっかりしたというより真実を知って納得したような気になったものです。
中原中也.bmpよごれたゴムまりをぬれ雑巾でひと拭きしたような顔って?

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