ココシリ

一度は行ってみたいと思っているチベット。
その最後の秘境といわれる「ココシリ」を舞台にした実録ドラマです。
kokoshiri.jpg

「自然は厳しい」などという表現が安易過ぎるくらい、
海抜4,700メートルの高地では
容赦ない強風、寒さ、雪、砂漠、そして薄い空気・・・。
画面を見ている自分までが苦しくなってくるような迫力で、
チベットの空気を感じました。


中国南部、チベットを臨む青海(チンハイ)省にあるココシリ。
モンゴル語で“美しい少女”、チベット語で“青い山々”という意味です。
そこに生息するチベットカモシカの毛は「カシミアの王」として珍重され、
密猟が絶えず、20年の間に100万頭から1万頭に激減、
絶滅に瀕していました。

こうした事態を憂い、結成された地元の山岳パトロール。
彼らはただ、自分たちの自然を、動物を守ろうと無給で働き、
密猟者との攻防の中で命を落とす者もいます・・・。

映画は密猟の実態を記事にしようと
パトロールに同行し、ココシリに足を踏み入れる
北京の新聞記者ガイを通して描かれています。

といっても、物語はドキュメンタリーのように
行われた事実が時間に沿って進んでゆき、
後半に行くにしたがって、だんだん胸苦しいというか、
あまりの厳しさにつらくなりながら、それでもなぜか目を離せずに
最後まで観てしまいました。

感動というものとは違う次元の、インパクトでした。

累々と横たわる皮を剥がれた500頭以上のカモシカ。
その肉をついばむハゲタカの群。
そしてその骨を集めて弔うパトロールの人たち・・・。
3年もたった一人で砂漠の中で監視し続ける男。
貧しさゆえに密猟をする人々・・・。

それらがすべて繰り広げられるココシリという舞台は、
背景にチベットの山々をそびえさせ、
容赦ない試練を人間たちに与えます。

最後まで厳しい表情を緩めなかったココシリの自然。

しかし、ガイの書いた記事が大きな反響を呼び、
自然保護区管理局が設立されて、チベットカモシカの数は回復したそうです。

Comments

Got something to say?