遠い座敷

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私は恐怖小説、怪奇小説(特に日本人作家による短編)が好きで、
いろいろな小説を読んでおります。
その中でかなり怖いと思った作品に
筒井康隆氏による「遠い座敷」という小説があります。


山のふもとに住む少年・宗貞が、
同じ山の上のほうにある友達・兵一の家に遊びに行き、
すっかり遅くなり、そこの家で夕ごはんをご馳走になります。
それでますます遅くなり、帰る段になって
兵一の父親が
「ずっとつながっている座敷づたいに一部屋ずつ通っていけば、
最後には自分の家に着く」というようなことを言います。

実は兵一の家は奥へ向かって廊下がどこまでも続き、
その廊下に沿って両側にいくつも座敷があり、
山の斜面の勾配に応じて階段状に座敷が下のほうへ連なっていました。

一方、宗貞の家では座敷が奥へ奥へと続き、
山の傾斜の勾配に応じて階段状に上のほうへ連なっていて、
要するに宗貞の家と兵一の家は、
座敷でつながっているのではと想像されるわけです。

そこで宗貞は座敷伝いに山の下のほうへと進むことになるのですが、
まず、ひと部屋めのふすまを開けると
「その座敷は茶室風の六畳で
正面の床の間には煤けた雪景山水の掛軸がかかり
片側の地袋の上では土人形の女達磨が笑って」います。
次の間には床の間に福禄寿の置物・・・
別の座敷では観世音菩薩の掛軸、
ある座敷では何の意味があるのか幽霊画が掛けられている・・・

座敷には灯りが灯っているものの、
薄暗い座敷を開けるたびにそういうものたちが待ち受けていて、
はじめのころはいちいち引手に手をかけて丁寧に閉めていたふすまも、
だんだん振り向くのも怖く、一刻も早くそこから立ち去りたくて、
後ろ手で閉めて、つんのめるように駆け抜けます。

お話はただそれだけ。
どこからか何かが実際に現われたりはしないのですが、
この主人公の少年の怖さがリアルに表現されています。

子供の頃の、根拠のない暗闇への恐怖、
古い座敷への怖さがよみがえるというか・・・

この小説を思い出したのは、
先日のオットのイトコ会で、
昔のオットの家が古くて怖かった、
特に仏壇のある座敷で寝るのが怖かったと
イトコたちが話していたからでした。

私はオットと同じ年なのですが、
サラリーマンの娘で、ずっと公宅暮らし、
仏壇のある座敷もなく、
せいぜいトイレに行くのが怖かったくらいなので、
そいういう昔の古い家の話がとても興味深かったです。

Comments

No Responses to “遠い座敷”

  1. 池っち on 9月 19th, 2007 5:23 PM

    我が家も父が全く信心深く無い人なので「神棚」も「仏壇」もありませんでした。

    鹿児島の祖父母の家には神棚みたい?なのはありましたけど寝て怖いって感じじゃ無かったなぁ。

    ※道北地方の某温泉ホテルの女性添乗員部屋に仏壇あって添乗員をビビらせていましたぁ。

  2. むぎ on 9月 19th, 2007 6:27 PM

    池っちさん☆

    ホテルの部屋に仏壇ですか〜
    それはかなり怖いですね。

    ホテルでの怖さは、
    古い家での怖さとは一味違う怖さですよね。

  3. ゆう on 9月 20th, 2007 4:35 PM

    うちはフツーの一軒家でしたが、本家がこうゆう昔の作りのお家でした。
    小さい頃はお正月に皆で集まってにぎやかでした^^;

    仏壇って他のお家のは何となく怖い感じがしますが、自分の家のは怖くない・・・って変ですよねw

  4. むぎ on 9月 20th, 2007 5:25 PM

    ゆうさん☆

    >仏壇って他のお家のは何となく怖い感じ
    オットの現在の家も大きな仏壇がある座敷があります。
    昔の家のような怖さはありませんが、ひいおじいさん・ひいおばあさん、おじいさん、おばあさんの写真が鴨居に掛けてあって、それがちょっと怖いです。
    オットの家は本家なんですよ〜

    まだその部屋で寝たことはないのですが、もし寝ることになったらちょっと怖い気も・・・

  5. ゆう on 9月 20th, 2007 7:19 PM

    あ!わかります、その状態(笑)。
    うちの本家も18代だか20代続いてるので、写真がいっぱいあったように思います^^;
    なので、お墓参りの時期とかは皆さん忙しいんですよw
    あっちのお墓、こっちのお墓・・・って感じで一日にいくつも行くんですw
    そうゆう私も、3箇所を一度に行ってますがwww
    あ。。。
    もうすぐお彼岸ですね(--)
    あれ?もう入ったのかな??

  6. むぎ on 9月 20th, 2007 7:24 PM

    ゆうさん☆

    >あっちのお墓、こっちのお墓・・・って感じで一日にいくつも
    そうそう、うち(って、オットの)もそうです。
    だんだん、亡くなる方も増えて「どこそこのおじさんのお墓」とか「○○のおばさんのお墓」と、年々、お墓も増えてます(笑)

    お彼岸、今日が彼岸の入りでしたね。

  7. cappu on 9月 21st, 2007 12:05 AM

    私が中学までは黒い帯戸と長い縁側がある天井の高い、時代劇に出てくるようなお家でした。(笑)
    一番奥の部屋に仏壇があり、縁側の一番奥がお手洗い(トイレ)でした。
    自分の部屋から縁側を通ってお手洗いに行くのですが
    途中、座敷から〜何かしら手や悪魔・幽霊が出ないか、仏壇の座敷も近くだったので夜お手洗いに行くのがとても怖かったです。

  8. むぎ on 9月 21st, 2007 8:23 AM

    cappuさん☆

    縁側のある家って、なぜか縁側の奥にお手洗いがありましたよね。
    私の母方の本家(瀬戸内海の島にありました)も、長い縁側の奥にお手洗いがありましたね〜

    恐怖とは関係ないですが、そこのお手洗いの便器が模様付きでした。確か、白地に青で唐草風の模様だったような・・・

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