タマキング!?

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タマキングこと、宮田珠己さんの久々の新刊
「ときどき意味もなくずんずん歩く」(幻冬社文庫)


以前、旅行モノのエッセイ、紀行文を読み漁ったことがありました。
今ほどいろいろなところに出かけることもなく、
いろいろな国の人に会う機会もなかった頃で、
世界、よその国にものすごく興味があった頃です。

有名な旅行家の方のものもたくさん読みましたが、
そんな中でふと目に留まったのが
宮田珠己著「旅の理不尽」でした。

現在はプロのエッセイストになっておられる宮田氏ですが、
この本を出版した時はサラリーマンでした。

―この本は、私が夏期休暇やゴールデンウィーク、年末年始休暇のほか、
会社員として当然の権利である有給休暇を取得したり、
その他当然じゃない権利もいろいろ取得したりして
出掛けた旅の記録である(「はじめに」より―
という文章でもわかるように、どこなく人を食ったというか、
普通の旅行記とは違うぞ〜という予感で読み始めたところ、
あまりの面白さにあっという間に読み終わってしまいました。

何が面白いかって、
徹底的に作者の個人的な主観で世界が描写されているところ。
旅行記にありがちの
「アジア辺境のこの地には何もなかったが
子供たちの瞳は輝き、
人々との心の交流ほど素晴らしい宝物はない」
みたいな、美しい表現がまったくないところ。
社会の矛盾を憂いたりしていないところ。
珍しいものを観たりおいしいものを食べた感動を書いていないところ。

って、じゃあ、何が書かれているのかということになるのですが・・・

困ったことにタマキングの面白さは表現しづらいのですね。
今回発刊された「ときどき意味もなく・・・」のあとがきで
高野秀行氏も書いておられます。
「彼の面白さはチャンドラーが寝言を言っているような
特異な文体とレトリックにあるからだ。
しかも、それを引用して説明するのが難しい・・・」

ということで、こんなに面白いのに
タマキングの本はなかなかメジャーにならないのですね。

しかし今回は久々の新刊で、
退屈な入院生活もしばし楽しく過ごすことができました。

Comments

2 Responses to “タマキング!?”

  1. 池っち on 1月 11th, 2008 11:50 PM

    うわぁぁー。

    「旅の理不尽」僕も好きなんすよー。

    僕のブログの文体、彼の文章に少なからず影響受けてますねー。

    よく『本書かない?』って東京かえるといわれるんですが、「旅の理不尽」みたいな本読んじゃうと自信喪失して断っちゃいますw

  2. むぎ on 1月 12th, 2008 7:34 AM

    池っちさん☆

    やっぱりね〜
    タマキング氏と池っちさんの書かれたものって、
    一脈通じるところがあると思ってたんですよ。

    池っちさんのほうが
    タマキング氏より面白さがわかりやすいので、
    きっと本を出されたらメジャーに売れると思いますよ。
    ぜひ、出してくださいよ〜